元衛生監視員が明かす!誰も教えてくれなかった飲食店の清掃・衛生管理マニュアル
飲食店経営において最も重要な要素の一つが衛生管理です。食中毒や異物混入などの事故は、一度起これば店舗の存続にも関わる深刻な問題となります。
今回は、現場での経験を基に、確実な衛生管理のポイントをお伝えします。
■清掃の基本原則
清掃は「上から下へ」「奥から手前へ」が鉄則です。天井や換気扇から始め、壁面、調理台、最後に床という順序で行います。これにより、汚れの再付着を防ぎ、効率的な清掃が可能になります。
■重点管理ポイント
1. 手洗い設備
– 石鹸液と消毒液の補充状況を毎日チェック
– ペーパータオルの設置
– 蛇口やレバーの清掃(特に接触部分)
2. 調理器具の洗浄・消毒
– まな板は材質別に分け、用途別に色分け
– 包丁は使用後すぐに洗浄・消毒
– 85度以上の熱湯消毒を基本とする
3. 冷蔵庫・冷凍庫管理
– 庫内温度の定期確認(冷蔵10度以下、冷凍-15度以下)
– 扉パッキンの清掃(カビ防止)
– 食材の保管期限の明記
■日常点検での見落としやすいポイント
1. 排水溝
– 毎日の清掃が必須
– グリストラップの定期的な清掃
– 防虫網の設置確認
2. 床面
– 壁際や機器の下も確実に
– 亀裂やタイルの剥がれをチェック
– 水はけの確認
3. 換気扇
– フィルターの定期的な洗浄
– ダクト内部の清掃
– 油脂の付着状況確認
■効果的な衛生教育のポイント
1. 従業員教育
– 毎日の朝礼での衛生指導
– 手洗いチェックシートの活用
– 定期的な衛生講習会の実施
2. 記録管理
– 清掃チェックリストの作成
– 温度管理表の記入
– 従業員の健康管理記録
■緊急時の対応マニュアル
– 食中毒発生時の連絡体制
– 異物混入時の対応手順
– 保健所への報告方法
以上の項目を確実に実施することで、衛生管理レベルは格段に向上します。特に重要なのは、これらの作業を習慣化し、全従業員が同じ意識を持って取り組むことです。
また、定期的な見直しと改善も必要不可欠です。現場の状況に応じて、より効果的な方法を検討し、常にレベルアップを図ることが望ましいでしょう。
衛生管理は、お客様の健康と店舗の信頼を守る最重要事項です。この基本を忘れずに、日々の管理を徹底していきましょう。