安心と信頼を築く「衛生管理」と「日常清掃」の鉄則

飲食店を経営する上で、お客様に**「おいしい料理」を提供することはもちろん大切ですが、それと並んで極めて重要なのが「安心・安全」**の提供です。

「飲食店」「衛生管理」「日常清掃」の3つのキーワードから、店舗の信頼を守り、顧客満足度を高めるための具体的なポイントをご紹介します。


1. なぜ「衛生管理」が全てに優先するのか

 

食中毒や異物混入などの衛生問題は、一度発生するとお客様の健康を脅かすだけでなく、店の信用を失墜させ、最悪の場合、廃業に追い込まれる可能性すらあります。

2020年6月からは、原則として全ての飲食店にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の実施が義務付けられています。これは、食中毒などの危害要因を予測し、そのリスクを低減するための重要管理点を設定し、継続的に記録・管理する仕組みです。

💡 HACCPに基づく衛生管理の基本

 

  • 衛生管理計画の作成: どのようなリスクがあり、それをどのように防ぐかという計画を文書化します。

  • 記録・検証: 計画通りに実行されているかを毎日記録し、問題があれば改善します。


2. 「日常清掃」は衛生管理の最前線

 

「日常清掃」は単なる店舗の美化活動ではありません。それは、目に見える汚れを取り除き、細菌や害虫の温床を断つという、衛生管理の最も基本的な、そして最も重要な作業です。

日常清掃を徹底することで、多くの衛生リスクを未然に防ぐことができます。

✨ 成果を出す日常清掃のチェックポイント

 

場所 清掃・管理のポイント 衛生管理上の効果
厨房内(床・排水溝) 営業終了後の徹底的な洗浄・乾燥。特に排水溝は汚れが溜まりやすいので毎日分解清掃。 ヌメリや悪臭の発生防止、害虫(ゴキブリなど)の侵入・繁殖防止。
調理台・作業スペース 食材の種類が変わるごと、または作業中断時の中性洗剤での洗浄とアルコール消毒。 交差汚染(異なる食材間での細菌の移動)の防止、ノロウイルス対策。
冷蔵庫・冷凍庫 庫内温度の毎日記録、食材の整理整頓と期限の確認。庫内壁面の拭き取り。 食材の鮮度保持、カビや腐敗の防止。
客席(テーブル・椅子) お客様が入れ替わる都度の拭き取り。特にテーブルは食品残渣が残らないよう入念に。 不快感の解消、ハエなどの誘引防止。
トイレ 営業中の巡回清掃、特に水回りやドアノブの消毒。 感染症の媒介防止、店舗イメージの向上。

【徹底した乾燥が鍵】

細菌の多くは水分がある環境で繁殖します。清掃後の調理器具や床、ふきんなどは、必ず徹底的に乾燥させることが、衛生管理の重要な仕上げです。


3. 「見える化」と「教育」で従業員全員の意識を変える

 

衛生管理と日常清掃を形骸化させないためには、経営者だけでなく、全従業員の意識と行動を変えることが不可欠です。

  • チェックリストの活用: 「いつ」「誰が」「どこを」「どのように」清掃・消毒したかを記録する日々のチェックリストを作成し、**「見える化」**します。これにより、清掃の抜け漏れを防ぎ、責任感が生まれます。

  • 定期的な研修: 手洗い、服装、調理器具の洗浄・保管方法など、基本的な衛生手順について、定期的に研修を行い、従業員間で知識のバラつきがないようにします。

  • 5Sの徹底: 「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5Sは、飲食店の基本です。特に整理整頓ができていないと、清掃がしにくくなり、汚れや害虫の隠れ場所を作ってしまいます。


📝 まとめ

 

「飲食店」の成功は、美味しい料理とその裏側にある「衛生管理」という見えない努力に支えられています。そして、その努力の具体的な行動が「日常清掃」です。

今日からあなたの店舗で、日常清掃を単なる作業ではなく、お客様と従業員の「安心」を守るための重要なミッションとして位置付け、徹底していきましょう。

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