飲食店の衛生管理:日常清掃で気を付けるべきポイント

飲食店における日常清掃は、食中毒の予防や店舗の清潔さを保つ上で非常に重要です。以下の点に注意して清掃を行いましょう。

1. 清掃の頻度とタイミング

  • 開店前清掃: 床、テーブル、調理台、シンクなどを徹底的に清掃し、開店に備えます。
  • 営業中清掃: 顧客が使用するテーブルやトイレなどは、汚れを見つけたらすぐに清掃します。床のゴミなどもこまめに取り除きます。
  • 閉店後清掃: その日の営業で出たゴミを処理し、厨房機器、調理器具、床などを念入りに清掃・消毒します。

2. 清掃区域ごとのポイント

  • 厨房内:
    • 床: 油汚れや食材カスが溜まりやすいので、毎日洗浄・消毒を行います。特に排水溝は雑菌が繁殖しやすいので、ブラシなどでこまめに清掃します。
    • 壁・天井: 油煙や水蒸気で汚れるので、定期的に拭き掃除を行います。
    • 調理台・シンク: 使用後は必ず洗浄・消毒します。食材の種類ごとに使い分けるなど、交差汚染を防ぐ工夫も必要です。
    • 調理器具・食器: 使用後はすぐに洗浄し、十分に乾燥させます。熱湯消毒や塩素系漂白剤による消毒も効果的です。
    • 冷蔵庫・冷凍庫: 定期的に庫内を清掃し、食品の整理を行います。期限切れの食品は速やかに廃棄します。
    • 換気扇・フィルター: 油汚れが溜まりやすいので、定期的に清掃します。
  • 客席:
    • テーブル・椅子: 食事後には必ず拭き、必要に応じて消毒します。
    • 床: 毎日清掃し、ゴミや食べこぼしを取り除きます。
    • トイレ: 顧客が使用するたびにチェックし、清潔を保ちます。便器、手洗い場、床などを清掃・消毒し、トイレットペーパーや石鹸の補充も忘れずに行います。
  • その他:
    • ゴミ箱: ゴミはこまめに捨て、ゴミ箱自体も定期的に洗浄・消毒します。
    • 出入口・窓: 汚れが目立ったら清掃します。

3. 清掃道具の管理

  • 清掃道具の使い分け: 厨房用、客席用、トイレ用など、清掃場所によって道具を使い分け、交差汚染を防ぎます。色分けするなど工夫すると良いでしょう。
  • 清掃道具の清潔保持: 使用後の清掃道具はきれいに洗浄し、乾燥させて保管します。汚れたまま放置すると雑菌の温床になります。
  • 消耗品の補充: 洗剤、消毒液、スポンジ、雑巾などは常に補充し、清潔なものを使用します。

4. 洗剤・消毒液の適切な使用

  • 用途に応じた選択: 油汚れにはアルカリ性洗剤、たんぱく質汚れには酵素系洗剤など、汚れの性質に合わせて洗剤を選びます。
  • 希釈倍率の厳守: 洗剤や消毒液は、製品の指示に従って正しい希釈倍率で使用します。濃すぎても薄すぎても効果が低下する場合があります。
  • 手袋の着用: 洗剤や消毒液を使用する際は、必ずゴム手袋を着用し、手荒れや皮膚への刺激を防ぎます。

5. 従業員の衛生管理

  • 手洗い: 調理前、トイレの後、生肉・魚を扱った後など、こまめに正しい方法で手洗いを行います。
  • 身だしなみ: 清潔なユニフォームを着用し、帽子やマスクも必要に応じて着用します。
  • 健康管理: 体調が悪い場合は調理作業に従事させないなど、従業員の健康管理も重要です。

これらのポイントを徹底することで、飲食店の衛生レベルを高く保ち、お客様に安心して食事を提供することができます。

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