スタッフ全員が動く!チーム厨房清掃のルール作り

# スタッフ全員が動く!チーム厨房清掃のルール作り

飲食店にとって厨房の清掃は食の安全性を確保する上で最も重要な業務の一つです。しかし、「誰が」「いつ」「どこを」清掃するのかが明確になっていないと、責任の所在があいまいになり、結果として清掃が行き届かない状況が生まれてしまいます。

今回は飲食店の厨房を効率的に、そして確実に清潔に保つための「チーム厨房清掃のルール作り」についてお伝えします。

## なぜ厨房清掃のルール化が必要なのか

食品衛生法の改正により、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務化されています。これは単に「きれいにする」だけでなく、体系的に食品安全を管理するシステムです。

また、厨房の清掃状態は:
– 食中毒予防
– 害虫発生防止
– 効率的な調理環境の維持
– 機器の長寿命化
– 監査や立ち入り検査への対応

など、多くの面で重要な役割を果たします。

## 効果的な厨房清掃ルールの作り方

1. 清掃箇所の明確化とマッピング

まずは厨房内のすべての清掃箇所をリストアップしましょう。

– 調理台・作業台
– シンク・水栓
– コンロ・レンジ・フライヤー
– 冷蔵庫・冷凍庫(内外部)
– 床・壁・天井
– 排水溝・グリストラップ
– 換気扇・フード
– 食器棚・収納棚
– まな板・包丁・調理器具

これらを厨房の図面上にマッピングすると視覚的に把握しやすくなります。

2. 清掃頻度の設定

清掃頻度は汚れの程度や衛生リスクに合わせて設定します:

– 毎日(営業終了後):調理台、シンク、床など直接食品に触れる場所
– 週1回:冷蔵庫内部、棚の整理など
– 月1回:換気扇、フードなど高所や分解が必要な箇所
– 季節ごと:大掃除(年4回程度)

3. 担当者の割り振り

清掃を全員で行うには、公平かつ効率的な役割分担が重要です:

– ローテーション制:毎日または週ごとに担当を交代
– ポジション制:調理担当者はコンロ周り、洗い場担当者はシンク周りなど
– チーム制:厨房を複数のゾーンに分け、チームで担当

4. チェックリストの作成

清掃漏れを防ぐために、チェックリストは必須アイテムです:

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【日次清掃チェックリスト】
□ 調理台の拭き掃除(洗浄剤使用)
□ シンクの洗浄と消毒
□ 床の掃き掃除・拭き掃除
□ ゴミの分別と廃棄
□ まな板・包丁の洗浄・消毒・乾燥

担当者サイン:_______ 日付:_______
確認者サイン:_______
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こうしたチェックリストを清掃頻度ごとに作成し、実施と確認の証拠として保管します。

5. 清掃方法の標準化

同じ箇所でも人によって清掃方法がバラバラだと効果にムラが出ます。清掃方法を標準化しましょう:

– 使用する洗剤・消毒液の種類と濃度
– 清掃道具(例:緑色のタワシは野菜用、赤色は肉用)
– 手順(例:先に乾拭き→洗剤で拭く→水拭き→消毒液で拭く)

写真や図解入りのマニュアルがあると新人教育にも役立ちます。

## 清掃ルールを定着させるポイント

1. 全員参加の意識づけ

「清掃は後片付けのついで」ではなく、「料理の一部」という意識を持たせましょう。朝礼などで衛生管理の重要性を定期的に伝え、清掃への意識を高めます。

2. 適切なインセンティブ

清掃が特に行き届いているスタッフを表彰したり、月間MVPを選出するなど、モチベーションを高める工夫も効果的です。

3. 定期的な見直し

3ヶ月に一度など定期的にミーティングを開き、現在のルールの問題点や改善点を話し合いましょう。現場からの声を反映させることで、より実効性の高いルールに進化させることができます。

4. 清掃道具の整備

適切な清掃道具がなければ効率的な清掃はできません。定期的に清掃道具自体の点検・交換も行いましょう。

– 汚れた雑巾やスポンジの交換
– 洗剤や消毒液の補充
– 掃除機のフィルター清掃
– モップヘッドの洗濯・交換

## まとめ:チーム清掃は飲食店の基本中の基本

厨房清掃は一人の負担ではなく、チーム全体で取り組むべき重要な業務です。明確なルールと役割分担、そして定期的な確認と改善のサイクルを回すことで、清潔で働きやすい厨房環境を維持することができます。

清潔な厨房は食の安全を守るだけでなく、スタッフの働きやすさや、ひいては料理の品質向上にもつながります。今日から見直してみませんか?チーム厨房清掃のルール作り、ぜひ取り組んでみてください。

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